メモ

メンバー用メモ

改行等のレイアウトは一任。
内容は再考の余地あり。誤字脱字他、ダメな部分があれば連絡ヨロシク。



タイトルは…夕焼けと赤い飛行機、でいいか時間もないし。

「………」。無言で手渡されるパスポート。出国スタンプは2007年9月11日。成田空港。久しぶりの国外、しかも今回は目的が目的なだけあって、どうしても期待と不安が入り混じる。飛行訓練、そして自分にとって最初のステップとなる資格を取りに行く。出発がこの日になったのも何かの因縁だろうか。セキュリティは一年の中で一番しっかりしてそうだけど。
機内。幸い窓際。これで退屈せずに済む。Estimateのフライトタイムは約12時間。時差もあるせいで昼に出て昼に着く。離陸して3時間ほどでミールサービス。BeefかPorkかを聞かれたのでPorkに。…カツ丼、しかもパンとサラダと稲荷寿司。この時点でありえない組み合わせ。メニュー考えた責任者誰だ?見た目も食い合わせも邪道じゃないか、これは。食べ終えてから仮眠。目を覚ます頃には目的地も近いだろう。Have a nice flight。
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入国
Dallasでの入国審査。Officerに必要書類を手渡し、滞在期間を告げる。「Flight training??」目的を言った瞬間に不信そうな顔をされる。そりゃそうだろう。11日だし。それにしてもDallas Fort Worth空港。凄まじく広い。滑走路が7本もあるなんて初めてだ。ターミナル間の移動は環状のモノレール内回りと外回り。移動後さらにローカル便に乗り継ぎをして今回の最終目的地Lubbockへ。真っ平、吹き荒れる風。まさにテキサス。
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トレーニングスタート
9月19日、初フライト。完璧には程遠い。でも、自分の手でコントロールしてきた、それが持つ意味は決して小さくない。ただ飛ぶだけ。それなのにこんなに楽しいのは何故なんだろう。どこかでスイッチが切り替わり、オフからオンになる瞬間、空へ向かうのではなく空へ帰る、そんな気持ちになる。約2週間程度同じ訓練を続け、基本的な水平飛行、上昇、降下、旋回。さらに失速、急旋回、離着陸の方法を覚えていく。インストラクターからの許可(Endorsement)をもらえたらソロへ。10月4日。今でもハッキリ覚えてる。記念すべきFirst solo flight。全ての責任を背負い、誰の助けも借りずに飛んで、そして帰ってくる。飛んでいる間は自分と、あとは空と雲があるだけ。着陸してスクールまでの地上滑走中に管制塔からCongratulationの声。他のエアトラフィックを遠ざけてくれてた事、わかってた。ありがとう。
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あわやクラッシュ
ソロに出てからは次のステップX-Cへ。Cross country、つまり長距離のフライトをして別の空港へ行く事。主に良く使われる地方空港までは片道約135km。その往復のルートを2,3回インストラクターと飛び、その後はソロへ。初ソロX-Cの折り返しの時、つまり向こうでの着陸をした時にそれが起こった。飛行機は空気の中を飛ぶ以上どうしても風の事を考えていなくちゃいけない。離着陸ならなるべく向かい風に、横風があるならその修正を加えながら。その時はまさに接地!?と言う瞬間に風向きから正面から真横に変化。修正すら間に合わず、滑走路の中心から端へ向かってどんどん流されていく。その間も機体は40-50kt(時速85km弱)で地上を突っ走る。そしてついに滑走路上からコースオフ。草地の上をガタガタとさらに走り続けて行く。そして目の前に見えてきたのは駐機してある古い軍用機。完全に衝突コース。急ブレーキはかけられない。回り続けているプロペラを地面に叩きつける事になる。咄嗟に右手がスロットルを全開に。機体が浮いた瞬間に失速警報が響く。無意識に今度は左手が操縦桿を機種下げ姿勢へ向けて押し出す。速度が上がった事で警報は止まり再上昇をかけるが目の前に迫る軍用機。さらに機種を引き起こし、失速手前ギリギリの速さでその上を掠めるようにフライパスしていく。約20秒の出来事。頭で考えたことは何もなかった。体が、勝手に動いていただけ。これが訓練の成果なのか。
復路では完全に気持ちと頭を切り替える。考えるのは後でいい。同じ事を繰り返さないためにも。

最終試験へ
その後、数回のフライトを重ね、徐々に試験飛行とオーラルの準備に入っていく。結局あの日ほど背筋が凍るような思いをすることはなかった。油断、あるいは出口が見えてきた瞬間の足元が一番危険だってことだったんだろう。資格試験のために必要な筆記試験合格のスコアシート、定められた飛行経験、インストラクターの承認を得てから一週間、その間は強風で全く予定が立てられないほどに。風の強さが常時30kt(秒速15m)。誰か風車持って来い!
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前日はもうジタバタせずに静かに待つだけ。可能な限り自分のパフォーマンスを100%に近づけるための準備だけをしていく。
2007年10月27日チェックライド当日。オーラルは日常会話の延長的な位置づけだったという印象に。約2時間で完了。それよりもずっとフライトの事が気になり続けていた。その心境を感じ取ったのかオーラルが終わった後Examinerから「試験飛行は出来ていない部分を見つける為の物。リラックスして普段通りに飛びなさい」との言葉が。正直有難かった。フッと肩の力が抜け、狭くなりかけていた視野と思考がクリアになっていく。天気、風、大丈夫。きっといつもと同じように飛べる。

Journey home
「お客様の航空券は2枚です。ダラスで乗り継ぎのゲートが変更になっていますのでお気をつけください。お預かりした荷物は成田での受け取りになります。良いフライトを。」矢継ぎ早に英語で説明をされる。10月30日朝、俺はLubbock国際空港で帰国の手続きを進めていた。喋るの早いよ、もう少しゆっくり言ってくれ。Pilotとして認められてから3日目の朝。無くさないようにしっかりしまったライセンスの他に、着いたあの時から変わった事は一つもない。でも、それですらただの紙でしかないのかもしれない。この一ヵ月半、約50日の時間を駆け抜けた記憶、身体に染み込んだ技術と経験こそが、きっと次の空へ進む本当のCertificateなんだろう。
またすぐにこの空へ帰って来よう。そしてもっと高く、遠くへ。
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by Twintailwings | 2007-07-09 07:02 | 日常  

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