航空医学?の話

何だか、帰ってきてからずっとAerobaticsの話を引っ張ってる気がするけどキニシナイ。

今日はちょっと真面目に(と言っても決して深い話ではなく)航空医学について。
一般的な航空医学は知る術がたくさんあるので割愛。主にAerobaticsの時について。
知ってるのと知らないのとではやっぱり違ってくるし。特にG。




で、話のメインになるのが重力加速度すなわちG-force。
曲技をやってるとどうやってもこのトピックからは逃れられなくて、
普通に飛んでいても+1G、背面になれば-1G。

高速飛行状態から一気に機体の進行方向を変えた場合、慣性の法則と遠心力によって
身体中の血液の流れが不均等になって色んな現象が起こってくる。

主に4つ(だと思う)に分けられるのが、
ブラック・アウト、グレイ・アウト、レッド・アウト、ジーロック。

ブラック・アウト(Black out)
ブラック・アウトは飛行中、強烈な+Gが身体にかかった時、下半身に血が集まり、
相対的に脳への供給量が減ることによって起こる現象。視界が暗くなっていく。
で、そのまま真っ暗になると失神(ジーロック)。
立ちくらみとか貧血なんかで気絶した事がある人はイメージしやすいはず。倒れる直前の状態。
長時間の高負荷は危険。失神手前でリカバリーをするのが絶対的なルール。
対応策としては耐Gスーツの着用やGがかかる瞬間に力を込めて(主に腹筋)頭に血を送り込む等。

グレイ・アウト(Gray out)
高負荷の+Gがかかっている状態が長く続くと現れる現象。
順当な変化をしたとすれば、グレイ・アウト→ブラック・アウト。
ブラック・アウトと同様に血液の流れが不均等になる事によって起こるんだけど、
目に見える変化としては、見えてるものの色がなくなってモノクロになっていく。
そこからさらに負荷をかけ続けると徐々に視界が暗くなってブラック・アウトに。
負荷の強さと時間、体調等によってグレイ・アウトが起きるタイミングは変わってくるけど、
曲技中はこのグレイ・アウトを基準にすることによって自分の限界を把握する事が出来る。

レッド・アウト(Red out)
こちらは逆負荷の場合。強烈な-Gがかかるような状況では、
血液は頭及び上半身に集中するので視界が赤いカーテンのような物で覆われて行く。
酷い場合は頭部や目の周りの毛細血管が壊れたりするらしい。
対応策は-G中はただ全身をリラックスさせるだけ。それしかないだけにちょっと怖い。
-4.5Gが自分で経験した最大値だったけど、何事もなかったのが不思議なくらい凄い力だった。
ホント、普段経験する事が出来ないだけに自分の限界を知る術がない。
ぶっつけ本番で試していくだけの勇気は・・・ないなぁ。どうしたものか。

ジーロック(G-LOC)
Loss Of Consciousness by G-forceの略らしい。いわゆる失神。
ブラック・アウトを超えた状態。当然だけど、単独飛行中にコレになったら生死に関わる。
通常ならグレイ、ブラック・アウトの延長線上に位置づけられるんだけど一つだけ例外が。
-Gの状態から一気に高負荷の+Gへ変化した場合:背面のスピンから復帰して引き起こし等。
この場合はグレイ・アウトは起こらず、あっという間に視界が暗く覆われて行く。

俺のトレーニング中、ブラック、グレイ、レッド・アウトは体験出来なかったけど、
このネガティブからポジティブへGが変化した時に起こるG-LOCの片鱗は体験した。
ホントに一瞬。瞬きするような速度で一気に視界が暗く。。
幸い失神はしなかったけど、サーって血が落ちていくのと同時に意識も無くしそうになった。
対策としては+Gと同じように意識的に頭に血を送るしかない。
G-LOCになりかけたこの時は何も対応策をとってなかった。


人によってGへの耐性の作り方は様々で、
普段からジム通いをして身体を鍛えておくって人もいれば、
脂っこい物や炭酸飲料等を極力摂らないようにして、日頃から体調管理をするって人もいるし、
フライトトレーニング以上のトレーニングはないからとにかく飛び続けて慣らしていくって人もいる。

まぁ、ブラックとかレッドとかって状態になる前に、
飛んでる間は内臓が上下左右にシェイクされるからその対策が多分第一。。

余談だけど、機体の中には大体エチケット袋が常備されてる。そりゃそうだよなぁ。
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by Twintailwings | 2008-10-07 08:59 | Aviation  

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